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2021.07.12
ときどきの信州飯田
野底川の天然記念物
昭和36年(1961年)6月信州南部に甚大な被害をもたらした「昭和36年梅雨前線豪雨」を地元では「三六災害」と呼んで、あの橋はあの家はサブロクの後から出来たとか、サブロクの前からあるとか、会話に今もって使われるくらいサブロクとはこの地域では特別な響きをもった言葉です。その三六災害で最も暴れた河川のひとつが飯田市内を流れる野底川です。今日では野底山森林公園と称し真夏でも涼しい鬱蒼とした豊かな森が上流部です。
実は当社の明治から始まった天然氷の時代には冬に氷を作る氷池と保存する氷倉がこの地域の二カ所に存在し、そのひとつがこの野底川沿いにあったと先代から聞いています。それはその三六災害で流され川底と化してしまったそうで今日では何も残っていません。しかしその時代の痕跡を見つけました。「新氷倉橋」という橋の名となって残っていました。橋の欄干にこの名を見つけて、何か手を合わせたくなるような有り難い気持ちになりました。
その橋の袂の木をよく見ると拳二つくらいの泡の塊のようなものが。なんと天然記念物モリアオガエルの卵です。
野底川で新氷倉橋とモリアオガエルの卵との出会い、ブラタモリのエンドミュージックが流れてきそうな気分です。
〈上〉撮影 2021年7月12日 野底山森林公園 八王子神社の紫陽花(長野県飯田市 市街地から10分)
〈中〉撮影 2021年7月12日 野底山森林公園近く 氷倉のあった痕跡 新氷倉橋
〈下〉撮影 2021年7月12日 新氷倉橋ちかく モリアオガエルの卵塊